令和6年七面山登詣
令和6年(2024)12月23日〜24日に七面山へ登詣(とけい)修行してまいりました。
七面山は、山梨県南巨摩郡身延町に位置する標高1982,4mの美しい霊山です。 日蓮宗の総本山である身延山久遠寺が管理する法華経信仰の聖なる山で、山頂に近い平坦地にある敬慎院には身延山を守護する鎮守神として七面大明神がまつられています。
その聖地を登山して修行してきました。
「登山するだけで修行になるんですか?」
という質問をいただきました。
日本には修験道という山岳信仰が古来より崇拝されてきました。山には神様仏様が住むとされており、その山に登るときに、お経を唱えながら、日常生活で知らず知らずのうちに振る舞っている「悪業」(悪い行い)を浄めつつ登山修行を行ったのです。
七面山も同じように自分自身の過去の振る舞いや、生まれる以前(前世)からの罪などを南無妙法蓮華経のお題目を唱えながら償って、過去・現在から未来へ開運に導くために修行します。
今回は住職一人で参拝してきました。
表参道ルートで羽衣から敬慎院までの道のりを歩いて参拝します。
大人の足で約5時間ぐらいの道のりです。
今回、真冬の七面山登山は初めてで、もし雪道だった場合を考えて、「アイゼン」を持参して登山しました。

羽衣、白糸の滝。朝方訪れたら白く凍っていました。

元丁目。ここから敬慎院まで50丁の道のりの始まり。

2丁目の神力坊。天狗の神様「伽藍坊大善神」が祀られるお堂。

七面山までの参道。灯籠に目安となる「何丁目」の数字が刻まれている。

七面山までの参道。

49丁目の手水屋。水が溢れた状態で凍結していた。

50丁目の敬慎院。屋根の修理中で本堂は足場で覆われている。

一の池。七面大明神がお住まいの池も凍結してその上に積雪が。

翌朝の遥拝所でのご来光。富士山の裾から覗くご来光が神々しい。

随身門から望む富士。
9時神力坊到着
10時半登り始め
11時12分 13丁目 肝心坊着
12時05分 23丁目 中適坊着
13時39分 36丁目 晴雲坊着
14時54分 和光門着
15時04分 鐘楼堂着
15時12分 敬慎院着
おかげさまで無事に登ることができました。雪もなかったので準備していたアイゼンの出番はありませんでした。
25丁目ぐらいから空気感が変わり、ぐっと冷え込んで来ました。お昼の12時ごろでも氷点下2°Cという気温。
敬慎院はマイナス12°C。経験したことのない寒さでした。室内でスマホの充電をしていましたが、「充電保留中。常温に戻してください」のメッセージが。懐に入れて布団で温めたら充電が再開されました。
ご来光も拝することができ、無事に下山できたのも、七面大明神さまのお導きだと感謝しております。
まだまだ修行が足りない住職なので、これからも七面さまのお姿を拝するために登山して直接手を合わせ、当たり前に過ごせる日々に感謝できるように過ごせればと思っております。